グローバル人材の条件 | 外資系・グローバル企業で活躍する人材に必要なたった1つのこと

こんにちは、hiroです。

前回の記事では、「なぜ日本人がグローバル転職をするべきなのか」についてお話ししました。

この記事では、グローバル転職(グローバル企業や外資系企業への転職)をするにあたって知っておくべき、「グローバル人材に求められること」についてお話しします。

現在、グローバル企業や外資系企業への転職を検討している方が、「グローバル転職を成功させるために、自分がどんな人材であるべきか」を意識するきっかけになれば嬉しいです。

グローバル人材に求められるのは「リーダーシップ」である

先に結論からお話しすると、グローバル人材には「リーダーシップ」が必要不可欠です。

もちろん、「語学力」や「異文化理解」も大事ですが、それらはグローバル環境でリーダーシップを発揮するために必要な一つの要素に過ぎません。

また、「リーダーシップは経営者や管理職の人だけに求められるものなんじゃないの?」と考える方もいるかも知れませんが、これは大きな誤解です。

リーダーシップは、役職に関わらず全員が発揮すべきものです。

経営者や管理職というのはあくまで「役割」の一つであり、リーダーシップというのは、アルバイトも含め、働く人全員が身に付けるべき「姿勢」であり「スキル」なのです。

例として、有名外資企業が公表している「求める人材像」をいくつかご紹介します。

これを見れば、グローバル企業において、いかに「リーダーシップ」が求められているのかがお分かりいただけると思います。

Googleが求める人材像

言わずと知れたGAFAの一角であるGoogleが、採用候補者に求める項目は以下4つです。

Googleが求める人材像
  • リーダーシップ
  • 職務に関連する知識
  • 全般的な認知能力
  • グーグラーらしさ

ちなみにこれは、世界的なベストセラーとなった「How Google Works: 私たちの働き方とマネジメント」に記載されている内容です。

Amazon.co.jp

求める人材像の1番目に「リーダーシップ」が来ていることからも、その重要性が伝わってきます。

【リーダーシップ】
私たちが知りたいのは、候補者がチームを動かすために、さまざまな状況で異なる筋肉をどんなふうに使ってきたか、だ。
そこには自らの職務あるいは組織でリーダーシップを発揮した経験のほか、正式なリーダーに任命されていなくてもチーうの成功に貢献した実績が含まれる。

「日本経済新聞出版社 How Google Works 私たちの働き方とマネジメント P.209」より引用

Amazonが求める人材像

同じくGAFAの一角であるAmazonには、求める人材像を言語化した有名な行動指針が存在します。

それは、「Our Leadership Principles(通称OLP)」と呼ばれるもので、すなわち「リーダーのための行動指針」を表したものです。

Amazon's global career site
We're a company of pioneers. It's our job to make bold bets, and we get our energy from inventing on behalf of customers...

OLPはAmazon社員が守るべき16項目の信条をまとめたものなのですが、そもそも行動指針の前提が「リーダーシップ」になっていることがお分かりいただけると思います。

これはつまり、Amazonで働く全社員にもれなくリーダーシップを求めているということなのです。

P&Gが求める人材像

最後にご紹介するのは、世界一の生活消費財メーカーであるP&G(プロクター&ギャンブル)です。

日本でも、USJをV字回復させた森岡毅さんやスマニューを国内No.1のニュースアプリに育てた西口一希さんなど、「P&Gマフィア」と呼ばれる同社出身のマーケターが各業界を席巻していますよね。

そんなP&Gのマーケティング職において求められる人材像は以下のとおりです。(採用サイトより引用)

P&Gが求める人材像(マーケティング職)
  • リーダーシップ
  • オーナーシップ
  • 戦略的思考力

ここでもやはり「リーダーシップ」が重要視されています。

【リーダーシップ】
「自分は何をしたいか」というビジョンを明確に描き、目的と目標をチームに示し、プロジェクトチームを率いてプランを実行して、結果を出せる。

「P&Gジャパン 採用サイト」より引用
Marketing
Marketing

以上、代表的な外資企業が「求める人材像」をご紹介しましたが、グローバルに展開する企業において、いかに「リーダーシップ」が求められているか、お分かりいただけたのではないでしょうか。

リーダーシップとは「影響力」である

では、「リーダーシップ」とは何でしょうか?

ずばり、リーダーシップとは「影響力」です。

言い換えると、「周りの人を動かして成果を上げる力」とも言えます。

大きな仕事、それこそグローバルに跨がるような大きなプロジェクトで成果を出すためには、一人の力では到底及びません。

より多くの人の共感を得た上で、ゴールに向かって多くの人を動かし、大きな仕事を成し遂げることが、グローバル人材には求められるのです。

リーダーがやるべき4つのこと

具体的に、リーダーに求められるアクション(求められる力)は4つあります。

リーダーがやるべき4つのこと
  1. 旗を立てる(主体性)
  2. 伝える(プレゼン力)
  3. 先頭を走る(行動力)
  4. 決める(決断力)

旗を立てる(主体性)

まずリーダーがすべきことは、旗を立てる、つまり「ゴールを定義する」ことです。

メンバーを鼓舞するような「良い目標を立てる力」が必要です。

例えば、アポロ計画においてケネディ大統領が打ち立てた「10年以内に人間を月に到達させる」であったり、まだ記憶に新しいカタールW杯において森保監督が打ち立てた「世界8強に入る」などは良い目標です。

大切なことは、「とても簡単には達成できないが無理ではないし、それが達成できたら誰の目から見てもすごいと言える」ような、絶妙な難易度を設定することです。

メンバーが「大変な苦労は伴うが、自分もぜひ到達してみたい」と思うような、良い旗を立てましょう。

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伝える(コミュニケーション力)

次にリーダーがすべきことは、自分自身の思いをしっかりメンバーに伝えることです。

背中で見せるだけではなく、「言葉によって人を動かす力」が必要です。

「なぜそのゴールを成し遂げたいのか」「これからどんなチャレンジをしようと考えているのか」「なぜその意思決定をしたのか」といったことを、論理的かつ情熱的に伝えることが求められます。

さらに、一度伝えて終わりではなく、同じことでも繰り返し伝えることが大切です。

人は意外とすぐに目標を見失ったり、大事な理念を忘れてしまったりする生き物なので、根気強く自分の思いを伝えましょう。

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先頭を走る(行動力)

ゴールに向かって先陣を切って走ることも、リーダーにとって大事なアクションです。

もちろん、先頭を走ることは大変な負荷が掛かりますし、多大なリスクも伴います。

道を間違えたり、失敗したりすれば、周囲から批判されることもあります。

しかし、こういったリスクを引き受け、「最初の一人になる」という覚悟がある人こそが、真のリーダーなのです。

例えば、重苦しい雰囲気の会議で最初に発言する、誰もやったことがない仕事に率先して取り組んでみる。

リーダーが先頭を走ることで、他のメンバーは安心して走ることができるのです。

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決める(決断力)

リーダーとは「決める人」です。

高い思考力や分析力も重要な要素ですが、検討しているだけの人、分析しているだけの人はリーダーとは呼べません。

たとえ十分な情報が揃っていなくても、検討のための十分な時間がなくても、決めるべき時に決められる「決断力」を持っている人です。

もちろん、十分な情報が完全に揃っていない中で決断をすることは、リスクや責任が伴います。

そのリスクをとった上で決断するのがリーダーなのです。

責任を取るのは怖いと思いますが、恐れずに決断して下さい。

「自分には決裁権がない」という方でも、「私がもし決裁者であれば、こういう決断をします」というスタンスで意見を述べましょう。

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リーダーシップは「スキル」である

ここまでの話を聞いて、「リーダーシップが重要だというのは分かったけど、リーダーシップって生まれ持った素質的なものなんじゃないの?」と思う方もいるかも知れません。

しかし、リーダーシップは学ぶことができる「スキル」です。

アメリカのビジネススクールでは、リーダーシップが基本的な授業科目として設定されていたり、外資系企業でもリーダーシップ研修が頻繁に行われていたりします。

つまり、「リーダーシップとは学び、鍛えるべき資質」なのです。

リーダーシップを鍛えるためにやるべき2つのこと

リーダーシップを鍛えるために、日々、意識的に取り組むべきことを2つご紹介します。

ポジションをとる

日々の仕事の中で、必ず「自分なりの意見」を持つようにしましょう。

つまり、新入社員だろうがなんだろうが、「自分が意思決定者だとしたら、どう決断するのか」という自分なりの仮説ないしは結論を常に持っておくということです。

この意識がある人は、たとえ自分に直接関係のない事柄であっても、「もし自分だったらどうするだろう?」と「主体性」を持って考えられるようになります。

このように、自分なりの結論をもつ癖をつけることが「決断力」を高める訓練になるのです。

ホワイトボードの前に立つ

普段、皆さんが参加している会議の中で、決まってホワイトボードの前に立ち、マジックペンを使って議論内容を可視化しながら、議論をファシリテートする人はいませんか?

その人は、まさに「リーダーシップ」を持った人です。

会議の参加者に発言を促しつつ、彼らの意見にしっかり耳を傾け、論点を明確にしながら、膠着した議論を前に進めるために視点を変えたりと、高い「コミュニケーション能力」と先頭に立って物事を推進する「行動力」が求められます。

他の参加者が座っている中で一人だけ前に出て、ペンを片手に先の見えない議論を進めるのは勇気がいりますが、常に率先してホワイトボードの前に立ちましょう。

その勇気は、必ずいつか報われます。

まとめ

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

今回は、グローバル人材に求められる「リーダーシップ」についてお話ししました。

「リーダーシップ」は誰でも鍛えられるものではありますが、筋トレのように日々の努力の積み重ねによって大きな差が生まれます。

現時点では、「自分にはリーダーシップなんてない」「グローバル転職なんて自分には無理だ」と感じる方もいるかも知れませんが、「ポジションをとる」「ホワイトボードの前に立つ」の2つを、日々の生活の中で実践してみて下さい。

継続的な努力がいつか身を結ぶ時が来るはずです。

ではまた!

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